金継ぎの続きをしてきたお皿さんたち、ムロの中でおやすみしてもらっています。
漆が乾くのに理想的な温度20度湿度70%を実現しているムロの中がとても幸せそうに思えます。わたしも毎日、心ゆくまでベッドという名のムロの中で眠り続けたい。
気持ち良さそうにムロという名のケージに入った器たちがゲッシに見えてきます。可愛くちんまりと箱の中で暮らすものは皆ゲッシ。塗った漆がうまく渇きますように。
さて漆、1回の作業では終わりません。ほかの生徒さんたちが漆で繕っているのを見ても何度も何度も漆を重ねて完成させていっているようです。器の割れ方や漆の選び方によって違うと思うのですが、今回の手順を備忘録させてください。
新漆から本漆に入っています。前回のことは忘却の彼方なのですが、確か膠液で貫入をふさいだり、漆を塗ったりしたような……前回ちゃんと備忘録しておけば良かった。
<材料作り>
A.
糊を小指の関節分ぐらい出す。
同量の水を加えてヘラで混ぜる。
B.
糊+水(A)と同量の生漆を加える。
伸ばしたり、集めて崩したり、空気に触れさせて発酵を進ませて茶色くする。
(トップスのチョコレートケーキのような色になったら終了)
C.
研の粉(とのこ)と、地の粉(じのこ)を8:2の割合にして、糊+水+生漆(B)と同量にする。
さっくり練る。Bの時と違ってネチネチこねない。
<塗り>
●「欠け」の部分:Cを盛るように、横に流すように塗る。
●「にゅう」の部分:生漆をパレット(タイル)の上に出し、筆の先でじんわりと染み込ませるように、ドットを描く。
液体をつけたティッシュで拭き取る。必ず、新しい面を使う。
それを2回繰り返す。
<お片付け>
●C:残りは集めて二重にラップ。ケースに入れて冷蔵庫にIN
●Cを練っていたボードとヘラ:液体出してヘラで削り取り、最後ふたつをティッシュで拭く。
●筆:筆洗液で、筆を広げないようにタイルに押しつけてティッシュで水分を除く。
液体は油か筆洗液かテンペラ。(忘れてしまったー!)